尖閣諸島の自然


尖閣諸島の空に舞う鳥(9)

鳥名
分布
備考
38 リュウキュウツバメ 南小島 留鳥、繁殖
リュウキュウツミ 尖閣諸島 絶滅危惧U類(VU)
39 リュウキュウヒヨドリ 魚釣島
40 リュウキュウメジロ 尖閣列島
41 リュウキュウヨシゴイ 魚釣島 留鳥
42 ワタリアホウドリ(参考)
尖閣諸島近海で捕獲









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(38)  リュウキュウツバメ
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分布:南小島

(下の写真は尖閣諸島のものではありません)

リュウキュウツバメ83.6
「沖縄の野鳥」29頁-昭和58年


典拠1:写真集・「沖縄の野鳥」(昭和58年)琉球新報社編・池原貞雄監修、
59頁【奄美・沖縄鳥類目録】、
「リュウキュウツバメ、尖閣諸島−留鳥として生息し繁殖。」

典拠2:「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄新報社、77頁、第二章南小島と魚釣
島の生物たち【野鳥と虫の生存競争】
記事:魚釣島には十数種の野鳥が見られる。その種類は、折にふれて述べておいた。南
小島の野鳥は、ツバメ、リユウキュウツバメのほかは、ほとんど見られない。

尖閣諸島にはリュウキュウツバメとツバメがいるようである。
ツバメの項で書いているが、高良鉄夫琉球大教授が「魚釣島には
十数種の野鳥が見られる。その種類は、折にふれて述べておいた。
南小島の野鳥は、ツバメ、リユウキュウツバメのほかは、ほとんど
見られない。
 成鳥になって種実を食う野鳥でも、ヒナを育てるには虫が必要である。
南小島の二種のツバメは、主にハエと蚊を食べているが、かりに
岩だらけの南小島に多くのツバメが渡って来ても、それはたちまち
食物不足におちいって、他へ移動しなければならないであろう。こうした
環境から南小島のツバメの数は、魚釣島に比べると著しく少ない。}
と書かれている(「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫、沖縄新報社、77頁、
第二章南小島と魚釣島の生物たち【野鳥と虫の生存競争】)。そこで
リュウキュウツバメとツバメの違いに付いて見てみたい。

  
左がツバメで、左がリュウキュウツバメです。
写真も全て正しく写している訳ではありませんから全て信じるという訳には
いきませんが、幾つかの写真と比べると、この二つの写真でも解ることは、
胸のリングです。ツバメは黒色の羽が胸を横断しているのに比べてリュウ
キュウツバメはそれがなく、茶色のみとなっています。それともう1つは
腹部の色がツバメは白色ですが、リュウキュウツバメはほんの少し灰色とか
茶色がかかっている様に感じます。













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(参考)  リュウキュウツミ
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分布:尖閣諸島

(下の写真は尖閣諸島のものではありません)

「ぎのわん自然ガイド」(宜野湾市教育委員会)

尖閣諸島にツミがいるという記事の記憶が
あるのですが、資料が見つかりませんでしたので
参考とさせていただきます。






絶滅危惧種情報(動物)- リュウキュウツミ -
http://www.biodic.go.jp/rdb_fts/2000/73-008.html

タカ目 タカ科 絶滅危惧II類(VU)

和名 :リュウキュウツミ  
学名 :Accipiter gularis iwasakii 
英名 :【Japanese sparrowhawk】 
固有性 :日本固有亜種 

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摘要

ツミ(Accipiter gularis)の亜種。八重山諸島に留鳥として分布する小型の猛禽類である。林内で
営巣し、小鳥類を採餌する。生息数や分布については、よくわかっていない。


形態

全嘴峰長17.8mm、翼長160mm、A蹠長52mm、尾長127.5mm(山階鳥類研究所標本:幼鳥オス)。亜種ツ
ミ(A. g. gularis)と比較すると翼長が短く、風切羽の長さに相違点が見られる。


分布の概要

種ツミは東北アジアから南中国、フィリピンにかけて分布し、日本では留鳥として1年を通して見
られるが、一部は越冬のため移動すると考えられている。本亜種は八重山諸島にのみ分布する固有
の亜種で、渡りはしない。


生物学的特性

本亜種の生態はほとんどわかっていないが、亜種ツミとほとんど変わらないと考えられる。平地か
ら山地の林にすむ。マツなどの高い枝に、枯枝で皿型の巣を作り、2〜5卵を産む。主に小鳥を捕
食するが、昆虫や小型哺乳類も食べる。


分布域とその動向

八重山諸島の石垣島、西表島に留鳥として分布する。


生息地の現況とその動向

生息地となる森林は、農地開発やレジャー開発により減少傾向にある。


特記事項

資料が少なく生態も不明であるので、さらなる調査、資料収集が望まれる。


保護対策

1992年には西表島の中央山岳部を中心に国設西表鳥獣保護区(3,841ha、うち特別保護地区2,
306ha)が設定された。
















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(09)     リュウキュウヒヨドリ
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分布:魚釣島

(下の写真は尖閣諸島のものではありません)




典拠:「沖縄の秘境を探る」高良鉄夫著・沖縄新報社、38・48・75頁

 (古賀氏の工場跡に立てた)天幕小屋の近くに小さな流れがある。それは岩間からわき出て
きた良質の水で、レンガで造られた水タンクに注がれている。コップ一杯をぐつと飲む。無人
島の水は実にうまい。それはまさに健康の泉といえよう。谷川のほとりにはテッポウユリ、シ
ャリンバイなどが咲きはこり、リユウキュウヒヨドリ、キセキレイ、メジロなどの小鳥がさえ
ずる。まさに花と鳥の楽園だ。(38頁、第一章尖閣列島の初探訪【魚釣島の風物詩】)

 山林内は、いたるところでリユウキュウヒヨドリのけたたましい鳴き声がする。また優雅な
メジロの鳴き声もまれではない。(48頁、第一章尖閣列島の初探訪【密林の正体と山の
主】)

 リユウキユウヒヨドリ、メジロなども訪れており、それぞれの生活を楽しんでいる。だがネ
ズミは二年前より著しく減っている。(75頁、第二章南小島と魚釣島の生物たち【物騒なク
モの巣小屋】)



(下の写真は尖閣諸島のものではありません)

リュウキュウヒヨドリ 



20060317
本土のヒヨドリ











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(09)     リュウキュウメジロ
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分布:尖閣列島

(下の写真は尖閣諸島のものではありません)



典拠:写真集・「沖縄の野鳥」(昭和58年)、琉球新報社編・池原貞雄監修22・54頁
記事:リュウキュウメジロ、「尖閣列島にも分布するが亜種名は不明。」54頁


(下の写真は尖閣諸島のものではありません)

リュウキュウメジロ83.55那覇
沖縄の野鳥22頁-昭和58年


(下の写真は尖閣諸島のものではありません)



出会いの瞬 Meeting only once in a lifetime : リュウキュウメジロ
http://coraltree.exblog.jp/7581030/

ほぼ日本全国で普通に見られるメジロの亜種。
メジロよりやや小型で脇腹が灰色をしているので区別できる。
奄美大島以南の琉球列島に分布する留鳥。

参考:メジロ

メジロ












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(09)     リュウキュウヨシゴイ
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分布:魚釣島

(下の写真は尖閣諸島のものではありません)

写真集・「沖縄の野鳥」(昭和58年)、55頁
琉球新報社編・池原貞雄監修。
【奄美・沖縄鳥類目録】

典拠:写真集・「沖縄の野鳥」(昭和58年)、琉球新報社編・池原貞雄監修。(55頁【奄美・沖 縄鳥類目録】に記載)
記事:リュウキュウヨシゴイ、魚釣島−留鳥。





リュウキュウヨシゴイ
Yachoo! オンライン野鳥図鑑 - 野鳥図鑑 
http://www.yachoo.org/Book/Show/57/ryukyuyosigoi/




参考:リュウキュウヨシゴイではなくただのヨシゴイ














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(04)  ワタリアホウドリ
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ワタリアホウドリの剥製
「沖縄の自然−野鳥」100頁


なんとワタリアホウドリが尖閣沖で捕獲されていた
典拠1:北小島の洋上に居たアホウドリ」―尖閣列島生物調査(1953年8月)で
実見―森田忠義 http://pinacles.zouri.jp/bunken/morita.htm
 アホウドリは世界中で約15種、主に南半球の南太平洋で大西洋には分布してい
ない。
 北太平洋には、アホウドリ(Short tailed Albatross)、クロアシアホウドリ
(Blackfooted Albatross)、コアホウドリ(Laysan Albatross)の三種でほか
に、迷鳥ワタリアホウドリ(Wandering Albatross)の幼鳥二羽が尖閣列島の海
域で1970年11月、漁船の甲板に飛来したのが捕獲された。
 アホウドリは、鳥類の原始型といわれ、強力な足と翼がある。
 特に形態は、翼が長大で尖端がとがり、翼幅が狭く、飛翔力にすぐれ、長時間
の遠距離飛行にも、ほとんど疲れを見せない滑空型で、羽ばたきは少ない。


典拠2:「沖縄の自然−野鳥」100頁
 昭和45年11月、2羽(つがい)の大型アホウドリの成鳥が尖閣沖で捕獲さ
れ、農林局林務課へ届けられた。写真は、本剥製にされたものの1つで、雄であ
る。全開長が210ある。アホウドリの仲間で沖縄で記録にあるのはコアホウド
リ(久米島)、アホウドリ、クロアシアホウドリ(尖閣列島)の3種である。こ
のアホウドリはアホウドリのうちでも大型に入り、グライダーのように空を飛
び、海の魚を食料源とする旅鳥である。



上のワタリアホウドリの剥製はこの↓の剥製ではないでしょうか。

引用元:尖閣諸島文献史料編纂会?
左がコアホウドリ、右はワタリアホウドリ

左の名札はコアホウドリと微かに読めるのだが、右の剥製の名札は判読不能。
その容姿からしてワタリアホウドリと推察できる。




−ワタリアホウドリ・動画−
YouTube - Wandering Albatross - brooding chick
http://www.youtube.com/watch?v=dYR7tQ8iQZU&NR=1
(ワタリアホウドリには申し訳ないけれど声は豚です)






フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

ワタリアホウドリ
渡信天翁:学名Diomedea exulans)は、ミズナギドリ目アホウドリ
日本では「迷鳥」として1度だけ、1970年に尖閣諸島近海で記録されている。









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(09)     
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リュウキュウキジバト
尖閣(繁殖)

カラー百科シリーズ2 「沖縄の自然(野鳥)」 
120頁−沖縄の野鳥目録−
昭和50年3月16日発行
友利哲夫・新垣秀雄共著
発行:新星図書




リュウキュウツミ








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(09)     カラスバト
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環境省カテゴリー 準絶滅危惧

(尖閣諸島のものではありません)
写真:http://www.gt-works.com/yachoo/zukan/tori/hato/karasubato.htm


カラスバト
分類 ハト目ハト科
全長(翼開長) 40.0cm
写真 成鳥
属名 Columba
種小名 janthina
亜種名 janthina
英語名 Black Wood Pigeon

全長400mm。大型のハトです。全身黒色で頭部は紫赤色、体には金属光沢があります。嘴は暗青色で
先端は緑色。足は赤い。主に日本に分布し、本州中部以南の島に留鳥として生息します。常緑広葉樹
の林で植物性の食物を採餌します。繁殖期にウッウー、ウッウーと太い声で鳴くためウシバトの別
名があります。




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(09)     ハッカチョウ
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典拠:写真集・「沖縄の野鳥」(昭和58年)、琉球新報社編・池原貞雄監修、
54頁奄美・沖縄鳥類目録
「ハッカチョウ(ムクドリ科)、尖閣諸島(1979年3月12日)、海岸の
平地に2羽観察された。」



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(09)     ムクドリ
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典拠:写真集・「沖縄の野鳥」(昭和58年)、琉球新報社編・池原貞雄監修
54頁、奄美・沖縄鳥類目録、「ムクドリ、尖閣−冬どりとして渡来。」
































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